放射性物質が除去出来る浄水器かどうかを簡単に見分ける方法はありますか?

水に溶けてイオン化した不純物の量は、水に流れる電流量を測れば判ります

水に溶解してしまった放射性物質を除去できる浄水器なのか?全く除去できない浄水器なのか?について実は簡単な実験で確認する事が出来ます。

TDSメーター(蒸発残留物測定器)で原水と浄水の不純物濃度を比較すれば、浄水器の性能は一目瞭然、その性能を判定する事が出来ます。TDSメーターは水中を流れる電流量を測り、それを不純物量のppmに換算して表示しています。

結論としては、浄水のTDSメーターの数値が原水(水道水)より下がらない浄水器は、例えどの様なデータや理屈を並べ立てようとも、水に溶解してイオン化した放射性物質を除去する能力が無いと言えます。

一方でTDSメーターの数値が下げられる浄水器は水に溶けてイオン化した極小の放射性物質を除去する事が可能です。
逆浸透膜式の浄水器は水に完全に溶けてイオン化した極小状態の放射性物質を95%以上除去する事が出来ます。

なぜ多くの浄水器が放射性物質について曖昧な回答をするのか

こんな簡単に判定が出来てしまう事なのですが、多くの浄水器は「安全」で美味しい水を造るとセールスされていますから、もし水道水に放射性物質が混入した時に全く対応出来ないとなると浄水器の存在意義、価値が半分以下になってしまうので、それを認めたくない訳です。

放射性物質が除去出来るのか否かについて、あちこちのQ&Aなどを見ても、要領を得ない不確かな回答をよく目にします、その辺が放射性物質を実際には殆ど除去できない浄水器が目くらましに使いながら消費者の方を欺く様な宣伝(でも嘘は言っていませんよ的な)、販売がされています。

例えば「放射性物質(放射性降下物)除去可能」と表示された浄水器があります、これを見ると、「この浄水器を使えば安心だ」と消費者の方は思うでしょう。

でも放射性降下物とは原発から飛散した塵状物質の事ですからサイズは大きく、言わば放射性物質の塊です、この様な大きなサイズなら浄水場でも除去できますから、そもそも水道水に残留する事もありません。

問題となったのは水に溶けてイオン化してしまった、塩粒では無く、溶けた塩、つまりナトリウムイオンと塩素イオンになってしまった様な極小状態となって、浄水場をすり抜け、水道水に残留してしいる放射性物質を除去できるのかどうか、それが消費者の方が求めている情報です。

例えば汚染地域の湖沼から採水した水に含まれる大きな粒子(大きなといっても微粒子ですが)の放射性物質が除去できたとか出来ないとかの話ではないのです。

更に、そのイオン化した極小サイズの放射性物質が6ヶ月や1年と決められたフィルター寿命の間、継続して除去出来るのかどうかも重要です。

TDSメーター(蒸発残留物測定器)で判ることは浄水器の除去性能、除去率

TDSメーターでは何を計測しているのかというと、それは水の中を流れる電気の量です。不純物の無い純水は電気抵抗が高く、殆ど電気を流しませんが、水に溶解した不純物が多くなると、不純物量の増加に伴いより多くの電気が流れる様になります。

水に溶けて小さくなった不純物はイオンとなり+または-の電荷を持って水中に溶けています、この不純物イオンが電気を流す仲立ちをする訳です、放射性物質となったセシウムやストロンチウムなども水に溶ければ当然イオンとなりますから一般的な不純物イオンと同様、TDSメーターの数値にカウントされます。

放射性物質だけを計測している訳ではありませんが、放射性物質が溶けて水道水に含まれているとすればTDSメーターの数値に反映される物質ですので、TDSメーターの数値が下げられない浄水器には水に溶けた放射性物質を除去する能力が無い訳です。

水道水の原料である河川水に、溶けきらない大きな粒子の放射性物質があるとしても、大きな粒子ならば浄水場で殆どが除去されるはずです。問題となるのは浄水場で分離除去出来ない、イオンまで溶解した極小サイズの放射性物質なのです。

TDSメーターは弊社販売価格でも5,400円電池式で何回も測定出来ます、TDSメーターを利用する事により浄水器の除去性能をいつでも確認する事が出来る訳です。一般的には浄水器のフィルターは使用可能期間が決められていますが、使用量は各家庭で異なります、また、同じ水道水でも地域により不純物量は違いますから、フィルターの消耗/耐用期間も当然変わるはずです。

TDSメーターの数値を下げられるレベルの除去性能を持った浄水方式は「逆浸透膜方式」「蒸留式」「イオン交換式」の3通りです。

逆浸透膜浄水器でも除去できない種類の放射性物質もある

放射性物質には実に多くの種類があります、原発事故で問題となったヨウ素、セシウム、ストロンチウム、プルトニウムなどはその一部に過ぎません。

一括りに放射性物質が除去できますと言ってしまうのは問題があります、問題となった物質に限定して述べたとしても、それぞれの放射性物質についての公信力を持った浄水器の除去性能試験データが殆ど存在しません。

通常のヨウ素、セシウムを超純水へ溶かして浄水器の除去性能試験を行えば、放射性ヨウ素、放射性セシウムと同様の結果が得られる事は推測出来ますが、放射性物質を使用した試験データでは無い、と言われてしまえばそれまでです。

じゃあ汚染地域の湖沼で採水して試験を行ったらどうかとなりますが、これも前に書きましたが、粒子の大きな放射性物質が混ざれば、それは精密濾過膜程度の浄水器でも除去出来てしまいますし、水道水に残留するイオン化した極小の放射性物質の除去とは全く条件が異なってしまいます。

また放射性物質の中には逆浸透膜や蒸留、イオン交換でも全く除去出来ない物質もあります、水素に中性子が入り込んだ三重水素とも呼ばれるトリチウム、これは自然界で酸素原子と化合して水分子そのものとなってしまうので浄水器では対応出来ません。

放射性物質の除去についてはこの様な問題がありますので、簡単に「除去できます」とは言い難い部分もあるのです。

トリチウムは別として多くの元素は水に溶けてイオンとなり電荷を持ちます、これは放射性物質でも変わる事はありません。ならば、電荷を持つイオンの存在量によって計測値が変化するTDSメーターでは放射性物質イオンも含めて、水中のイオンの量を計測していますから、この数値を減少させられる浄水器は水に完全に溶けたイオン性の放射性物質をも除去できる能力が有ると言えますし、そうならない浄水器は全く可能性が無い訳です。

最後に弊社では他の浄水器から乗り換えられた、たくさんのお客様がいらっしゃいますが、元の浄水器が逆浸透膜式、蒸留式以外の場合でTDSメーター数値を少しでも減少させた浄水器は見たことがありません。

浄水器/アクアカルテック