限外濾過膜(孔径 0.01?0.001ミクロン)

限外濾過膜(UF膜=Ultrafiltration Membrane)

限外濾過膜は人工透析などに使用される櫨材です、精密濾過膜より小さく、逆浸透膜よりは大きな孔径を持つフィルターとなります、日本では家庭用の浄水器として使用される事は殆どありません。

限外という言葉はUltra=ウルトラ=超の古典的な日本語訳だそうで、超濾過膜と呼ばれる場合もあるそうです。

孔の大きさは、フィルターの性能は孔の大きさで決まります

孔径の大きさは1ナノメートルから10ナノメートル、日本人に馴染みのあるミクロンで表すと0.001ミクロンから0.01ミクロン(1ミクロンは1ミリの1/1000となります)の孔径を持つフィルターが限外濾過膜となります。

限外濾過膜の使用例

用途によって様々な孔径の限外濾過膜があります。つまり除去したい物質、残したい物質をより分ける為に孔径を調整する事が出来る訳です。

人工透析などの他、主に工業化学分野で使用され、タンパク質や酵素など熱に弱い物質の分離や 濃縮に使用されます。

例えば生ビールで加熱殺菌をせずに限外濾過膜で酵母を除去する事で発酵を停止する事が出来ます。

家庭用では余り使われない限外濾過膜

限外濾過膜まで小さな孔径になると全量濾過が難しくなります、原水を全て通過させようとすると孔が小さすぎて、膜がすぐに目詰まりを起こしてしまうのです。

そこで膜表面に沿って一定方向に原水を流し膜へ浄水を通過させながら残りの濃縮水を連続的に排出する運用方式となります、この運用方式をクロスフロー式と言います。

この様な運用方式の複雑さも有り、家庭用の浄水器に使われる事は殆どありませんが、クロスフロー方式は逆浸透膜浄水器で使用されている浄水方法です。

細菌だけではなくウイルスも除去できます

細菌とウイルス、人類にとって同様に脅威かつ目に見えない小さなものですが、細菌とウイルスではかなり大きさが異なります。

細菌が約1ミクロン、ウイルスは最小のピコルナウイルスで0.02ミクロンですからサイズの単位が2桁違います、野球のボールと手芸のビーズ位、大きさが異なりますね。

限外濾過膜は0.01ミクロン以下の孔径ですのでウイルスまで除去する事が出来る大きさです。

浄水器/アクアカルテック