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2011年07月17日

居場所が無くなる浄水器

水道水から放射性物質が検出された件もだいぶ落ち着いてきた様子です。浄水場が発表する放射性物質のレベルも「検出せず」となっていますので日本分析センターの計測機器精度は、10ベクレル以下は検出せずとなるそうですから、10ベクレル以下の水準が保たれているのでしょう。

中部大学武田先生は年間1ミリシーベルト以内を達成する為に水、食材を10ベクレル/kg以下に保つ事が必要とされていましたので、現状水道水の放射線レベルは落ち着いた状況にあると考えて良さそうです。

今回の放射性物質問題について「水道水専用」と表示された浄水器を販売している会社の見解、問題を感じる表現が多く見られます。安全な水道水しか通さない前提の浄水器は水道水が危険となると居場所が無くなってしまう訳ですから、何とか放射性物質に対しても除去効果が有るよに見せたい訳ですが。

中には初期には除去出来たが次第に除去出来なくなる、その原因は明確では無い、とか、初期に除去出来たのは恐らく活性炭にイオン交換樹脂が混ぜてあり、イオン交換樹脂の吸着限界を超えれば活性炭では除去出来ないと言う理由ではないかと考えますが、理由を知っていても敢えて言わないのかもしれませんね。

東京都の金町浄水場では高度浄水処理で活性炭濾過も行っていますから大きな粒子の放射性物質、放射性降下物は水道へ流出する事はありません。今回、流出したのは完全に水に溶解してイオンの状態となった放射性物質です、水に溶けてイオンとなった物質は単体の原子1個と殆ど同じ大きさですから通常のフィルター、活性炭は通過してしまいます。

これは水に溶けた塩を分離する作業と同じですからイオン交換樹脂で吸着するか逆浸透膜浄水器での分離、あるいは蒸留しか有りません。

ここで気を付けて頂きたいのは同じ放射性物質でも存在形態により大きさが異なる事です。岩塩の様な塩の固まりなら手でつまむことも出来ます、顆粒状の塩でも取り出す事が出来るでしょう、でも水に溶けてイオンの状態まで小さくなれば、通常、回収する事は困難です。

つまり「大きな粒子の放射性物質を除去出来る」から「放射性物質を除去できる」と表示してしまっても、除去出来たのは嘘ではないと詭弁が出来てしまうことです。

水道水の安全性に依存していながら、あたかも浄水器自身が安全な水を造っているかの様に消費者の方を欺いてきた浄水器の居場所はあるのでしょうか。

アクアカルテック

投稿者 aqua : 2011年07月17日 16:15